ワッシャー加工技術を通じて、繊維加工の可能性を追求し、人々のより豊かな生活を創造する
ワッシャー加工について
きめ細かい職人のなせる技
その名の通り、ワッシャーとはウオッシュから派生した言葉です。つまり、洗濯と同じ工程(洗い⇒脱水⇒乾燥)なのです。
加工工場には、大きなドラム式の洗濯(ワッシャー)機、大型ダンプカーの車輪のような脱水機、コインランドリーにあるような大きなタンブラー乾燥機が並び、作業が行われます。ワッシャー機のドラム内にお湯を入れ、織物、布生地などを、前・後回転で洗うことにより、生地をミルドしたり毛羽立てたりします。そして、糸の撚りがほぐされ、ソフトになり、かさ高になることで、生地表面に凹凸の風合い(天日干し風)が出る加工なのです。
ワッシャー加工した布生地によって、次のような風合いと良質な物性を享受することができます。 ◆ワッシャー加工した布生地は、通常の生地よりもナチュラルな質感をもたらし、柔らかな風合いになり、女性のファッションアイテムに最適です。 ◆ウールなど厚手の生地では、柔らかな雰囲気を醸し出し、高級感を強調することが出来ます。また、ウールでは、生地を引っ張らないでリラックスさせることで、やすり目のような、撚りによる柄を作る仕上げも可能です。 ◆ニットの場合、洗濯した後、縮みやすいので、先にワッシャー加工することで布をリラックスさせ、商品になった時の縮みを少なくすることができます。 ◆ジーンズなどのカジュアルなファッションには、ワッシャー加工することで、よりカジュアルさを強調することが可能です。 ◆ワッシャー加工生地をインテリアファブリックに使うと家の中の雰囲気を柔らかく、ナチュラルにすることができます。そして、撥水・防水加工を追加することによって、お手入れもし易くなり、機能と風合いの両方を享受できるのです。
ワッシャー加工のベテラン職人は言います。「ワッシャー加工で大切な事は、洗い時間とお湯の温度。特に洗い時間を間違えると、とんでもない、思ってもいない出来上がりになってしまう。しかもワッシャー機一台一台に癖がある。それを使いこなすには、職人の長年の経験とカン、技術やノウハウがいる。なかなか簡単に同じ仕上がりにするのは難しい」と。
まさに匠の世界なのです。 ワッシャー機はワッシャー加工しかできない。確かに投資効率も良いわけではありません。それに現場は、夏は暑さ、冬は乾燥した後の布生地の静電気に悩まされます。でもこのワッシャー加工でもたらされる布生地の風合いと物性、こんな表面変化を求める仕上げは、海外にはできない、日本だけのきめ細かい職人のなせる技なのです。
ワッシャー加工は特殊な加工方法であること、そしてそれを取り囲む条件や環境から、この加工方法を受け継ぐ加工業者はほとんどありません。しかし、絶やしてはいけない、次世代に引き継いでいくべき特殊な繊維加工技術なのです。
当社は、近年、ベテラン技術者のワッシャー加工作業工程をデータ化し、システム化に勤めています。経験によって蓄積された知識、技術、ノウハウをまずソフト面から引き継いでいくことが責務と考えています。また、同時にハード面としてワッシャー加工の担当者、後継者の募集も行っております。 このニッチではありますが、他社にはない当社の強味であるワッシャー加工技術を引き継ぎ、次のステップに展開していける仲間を求めています。 ご興味のある方は、採用情報のページをご覧ください。
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